極限の基本

ここでは極限の基本として,収束・発散・基本的な性質について説明します。まずは用語を理解し,基本的な性質を理解してください。次に発散速度の違いや自然対数について理解した上で,次の極限計算に進んでいきましょう。また,関数の連続性は様々な問題の根底にある基本事項ですので,定義を正確に理解してください。

極限の基本

発散速度

自然対数

左右極限

関数の連続性

極限計算

極限計算は簡単なようで,実は非常に奥深く難しいものです。意外と苦労した経験を持つ方も多いのではないでしょうか。しかし,大学入試で問われる極限計算の解法は限られており,その解法一覧と使い分けを理解してしまえば解答可能です。ここではタイプ別での解法の使い分けについて,例を含めて解説していきます。不定形の種類を判別した後は,発散速度/極限公式/$e$の定義/(ロピタルの定理)などの処理を使い分けましょう。極限方程式は数IIBでも扱った内容に関連します。

極限計算

極限公式

不定形の処理

ロピタルの定理

極限方程式

極限で定義された関数

無限級数

無限級数は入試で非常によく出題される分野です。いわゆる$\lim$と$\sum$によって形作られている式について,つまり無限個の和がどのような挙動をするのかを考えます。特に頻出である等比数列については次のセクションで記述しています。本セクションでは,無限級数の収束/発散についてや,無限積についての解説をしています。

無限級数

無限級数・無限和の発散

無限積

交代級数

無限等比級数

無限に続く等比数列を無限等比数列と呼び,その和を無限等比級数と呼びます。非常によく入試に出る内容であるため,扱い方を理解しておかなければなりません。いずれも公比と$\pm1$の大小による場合分けをできるように理屈から理解するとともに,収束条件において無限等比数列と級数における違いとして公比 $=1$を含むかどうか気をつけましょう。

無限等比数列

無限等比級数

はさみうちの原理

はさみうちの原理/追い出しの原理は,直接極限が求められない極限計算において非常によく使うワザです。$f(x)$の極限が直接求まらないとき,大小関係,$$g(x)<f(x)<h(x)$$を利用して,両端が同じ極限値$\alpha$に収束し,$$\lim_{x\to\infty} g(x)=\lim_{x\to\infty} h(x)=\alpha$$であれば,間にある$f(x)$の極限も$\alpha$になると求められます。数列についても同様で,以下に詳細を記しています。

追い出しの原理

解けない漸化式の極限

漸化式の一般項の極限は,一般項が求まる場合は一般項の$n$を$\infty$にして扱えば求められます。しかし一般項が求まらない,または一般項が求めづらい漸化式について考える際は,次のような手順になります。

  1. 極限値の予想(特性方程式を解く)
  2. 不等式証明(交代式から因数分解 or 平均値の定理の利用)
  3. はさみうちの原理

解法の詳細については以下に記しています。

解けない漸化式の極限

方程式の解の極限

方程式の解の極限はそれほど頻繁に出題される分野ではありませんが,出題された場合は解法が限られているため,必ず正答したいものです。また,「解の極限」→「作られた不定形」という流れでセットの出題も多いですので,解法を覚えておきましょう。

方程式の解の極限